2014/11/26(水)[ARM][Linux]copy_{from|to}_user()

Linux Advent Calendar 2014の19日目に登録させていただきました。

copy_to_user()

kernel空間からusesr空間への安全なメモリコピー、と見てもらえれば良いでしょう。
単純なメモリコピーは、memcpy()を使いますが、これはユーザ空間のアドレスを
指定できることに意義があるもの。

ユーザ空間のメモリは必ずしも物理メモリに割りつけられているとは限らない。
まぁこれだけではないので、swap未使用であったりメモリが多くても使いましょう。
NAME
 copy_to_user - Copy a block of data into user space.

SYNOPSIS
 unsigned long copy_to_user(void __user * to, const void * from, unsigned long n);

ARGUMENTS
 to
   Destination address, in user space.

 from
   Source address, in kernel space.

 n
   Number of bytes to copy.

CONTEXT
 User context only. This function may sleep.

DESCRIPTION
 Copy data from kernel space to user space.
 Returns number of bytes that could not be copied. On success, this will be zero.


実装を追う

実際にコードを追った順序と記載順序が異なるので、変な感じです。

関数の実態は以下にあります。
アライメントを考慮した最適な転送を行うためのテンプレでコードが書かれており、
そこで使用するデータ転送の実態をcopy_to_userとcopy_from_userでマクロ定義し、
同一templateでコードを生成させています。
FILE: arch/arm/lib/copy_to_user.S
FILE: arch/arm/lib/copy_template.S

で、ここからが本題。strusrマクロでは、abort引数がついています。
これが何しているのか、何となく想像はつきますが、理解できなかった。
バイナリを逆アセンブルすると普通のstr命令が並ぶだけで、memcpyとの差異が判らず。
実コードと併せて定数テーブルを作っていることに気がつき、
このセクション名で検索したところ仕組みがわかったという流れでした。

FILE: copy_to_user.S
	.macro str1w ptr reg abort
	strusr	\reg, \ptr, 4, abort=\abort
	.endm
FILE: archinc/asm/assembler.h
	.macro	strusr, reg, ptr, inc, cond=al, rept=1, abort=9001f
	usracc	str, \reg, \ptr, \inc, \cond, \rept, \abort
	.endm

	.macro	usracc, instr, reg, ptr, inc, cond, rept, abort, t=TUSER()
	.rept	\rept
9999:
	.if	\inc == 1
	\instr\cond\()b\()\t \reg, [\ptr], #\inc
	.elseif	\inc == 4
	\instr\cond\()\t \reg, [\ptr], #\inc
	.else
	.error	"Unsupported inc macro argument"
	.endif

	.pushsection __ex_table,"a"
	.align	3
	.long	9999b, \abort
	.popsection
	.endr
	.endm

usracc str, \reg, \ptr, \inc(=4), \cond(=none,al), \rept(=none,1), \abort(=pop)
	stral reg, [ptr], #inc
	.pushsection __ex_table,"a"
	.align	3
	.long	9999b, \abort

セクション "__ex_table"に、{exceptionが発生するアドレス、返りアドレス}を設定する。
ldscriptにて、同名のセクションを定義、その前後のアドレスをを拾えるようにしてある。
FILE: /kernel/linux-stable/arch/arm/kernel/vmlinux.lds.S
	. = ALIGN(4);
	__ex_table : AT(ADDR(__ex_table) - LOAD_OFFSET) {
		__start___ex_table = .;
#ifdef CONFIG_MMU
		*(__ex_table)
#endif
		__stop___ex_table = .;

テーブルの先頭が変数名として判ったので、コレを探す。
これを参照しているのは、以下の関数。
/* Given an address, look for it in the exception tables. */
const struct exception_table_entry *search_exception_tables(unsigned long addr)
さらにこれを使っているところを探すと、アーキ依存部のpage fault処理部分が見つかる。

FILE: kernel/linux-stable/arch/arm/mm/extable.c
int fixup_exception(struct pt_regs *regs)
{
	const struct exception_table_entry *fixup;

	fixup = search_exception_tables(instruction_pointer(regs));
	if (fixup) {
		regs->ARM_pc = fixup->fixup;
#ifdef CONFIG_THUMB2_KERNEL
		/* Clear the IT state to avoid nasty surprises in the fixup */
		regs->ARM_cpsr &= ~PSR_IT_MASK;
#endif
	}

	return fixup != NULL;
}
さらにさらに、これを使っているところを探すと、
アーキ依存部のpage fault処理部分が見つかる。


FILE: kernel/linux-stable/arch/arm/mm/fault.c
/*
 * Oops.  The kernel tried to access some page that wasn't present.
 */
static void
__do_kernel_fault(struct mm_struct *mm, unsigned long addr, unsigned int fsr,
		  struct pt_regs *regs)
{
	/*
	 * Are we prepared to handle this kernel fault?
	 */
	if (fixup_exception(regs))
		return;
ここに来れば faultが発生しても、Oopsを吐かずに指定されたアドレスへ
帰って行くという仕組みになっている。

copy_to_user()に関しては、エラーハンドリングは特に行っていない。
失敗すればコピーを中断して返る、という実装になっている。
そのため、返値はコピーバイト数の残り、ということにしたのであろう。

で、この__do_kernel_fault()はどこから来たのかなぁと見ていくと、
fault handlerのほうへと流れ着くことになる。
ここらへんまできて、ちょっと深みにはまりそうだな、と感じたので
別記事にすることにします。

FILE: kernel/linux-stable/arch/arm/mm/fault.c
static int __kprobes
do_page_fault(unsigned long addr, unsigned int fsr, struct pt_regs *regs)
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