2009/08/10(月)シングルモルト匠の技講座~樽熟成の神秘~@サントリー山崎蒸溜所

前説

8/9(Sun)に、山崎蒸留所のイベントを受講してきました。過去に2度ほど、蒸留所に連れて行っていただいた記憶があるのですが、今回は自主的に応募してみました。

当該イベントが開催されるというのを、2月頃のサントリーメルマガ? [蒸溜所から季節のお知らせ]で知ってから行ってみたいと思っていました。

今回はちょうど良い機会もあり、参加させていただきました。

相変わらず、庭の手入れも行き届いており、大阪~京都間の立地とは思えないくらい新緑に包まれた良いところです。流石、企業の玄関先はすばらしいですね!!

ネタバレ?を含みますので、"続きを読む"記法をいれておきます。

イベント

『シングルモルト匠の技講座~樽熟成の神秘~』にて内容が記載されています。約2時間の講座で、下記セッションに分かれています。

  1. ウイスキー製造工程見学
  2. 匠の技講座
  3. ウイスキーのテイスティング
  4. ウイスキーの試飲&おつまみの試食

1.工場見学

いつもと同じコースです。ただし、7/E~9/B頃までは、蒸留工程までが止まっています。夏場は調子が悪いという話でした。*1

あいにくの雨空でしたが、工場見学中は雨も止んで、とても涼しく快適でした。蒸留工程の熱気を感じられないのも、少々勿体無いことではありますが。

蒸留ポットの窓があけられており、中をのぞくことができましたが、策の外からでは中まで見えません。バカチョンデジカメのフラッシュごときでは中まで撮れず。ましてや、ピントが合うこともなく、写真は没です。

そして、いつもの貯蔵庫。今までとは違う経路で、最近の仕込み樽しか見えませんでした。生まれ年の樽を拝めたと思うのですが、ルートが変わってしまったのか、通常の見学では見せてもらえるのか。

taru.jpg

※水平が取れていなかったので、生データを回転・縮小しております



2.匠の技講座

ここから、次のテイスティング・試飲の境界が曖昧な気がしますが、分かれていたのでしょう(笑)

今回通された会場では、プロジェクタはCanon、DVDプレイヤ(レコーダ?)はVictorでした。投影された画像だけで『Victor...』という呟きが聞こえてきましたが、投影装置や音響装置がそれに揃えてあるとは限らないわけで。

いやそんなところはどうでもいい話ですが。

工場長からの挨拶、ブレンダーのお話を録画で流され、これを視聴します。一方向的な情報の流れとなり、少し残念です。もう少し知恵が着くまでは文句も言えませんが、やはり生の声を聞き、問答できるのが最高でしょう。

開発・管理の仕事もあるので、そうは言ってられないでしょうし、私ら知識も足りないので語れもしません(笑)。



3.ウイスキーのテイスティング

工場見学から帰ってきたら、グラスが並んでいました。

glass_all.jpg

短時間に準備お疲れさまです>スタッフ各位

写真のとおり、原種と山崎の主成分である樽熟成3種が用意されています。下敷きの外にあるのは山崎12年。以下、当日に記録したテイスティングノートから抜粋します。ブレンダーのような表現力はないので、素人*2の単純な感想です。

まずは経年原種を三種類。

  • 経年原種0年\麦の香りか酵母の香りが心地よい。工場見学でも最初に香っていた香りです。\原種自体度数が高く、加水前だととてもアルコールです。お酒というよりアルコール。\加水後は香りも弱まり、とても弱弱しくなりました。
  • 経年原種4年\香りに甘みが出てきました(ブレンダー曰く、蜜の入ったりんごのような~)。\加水前に舌で触れてみましたが、痺れます(笑)。\まだ"おさけ"という感じはしませんね。\加水後は、やはり香りが弱まります。後から来る香りは、とても麦臭がきついです。\ウィスキーとしての片鱗が見え始めた感じでしょうか。
  • 経年原種12年\一気に二桁熟成へ。甘い香りがさらに強くなり、それ以外にも香りがついてきています。\木の香りでしょうか。(ブレンダー曰く、柿やリンゴのような甘み(香り?))\加水後は、普通にお酒と言っても通じる風味と香りです。後から来る香りについても、\麦くささがまったくなくなり、まさに"お酒"です。

寝かせるにつれ、お酒のようになりますが、これではおいしいとは思えません。美味しく作り上げられた製品を知っているだけに、不思議が積もっていきます。

次に樽3種です。

  • ホワイトオーク\とてもフルーティな香りがします。色はやや黄色がかっています。\加水後は、多少香りが弱まりますが、印象に変化はありません。\後味も特に違和感を覚えず。\(ブレンダー曰く、ココナッツのような香り、軽快な、穏やかな風味といいましょうか..)
  • シェリー\とてもバニラ臭がします。非常に甘ったるい香り。個人的に大好きといっていい香りです。\(ブレンダー曰く、イチジクのジャムのような甘さを連想させる~)\加水後は、ほかの元首に比べて、弱まり方が大きかったように感じます。\加水前の香りが鮮烈過ぎて、ギャップによるものだと考えます。そして、香りのせいもあるでしょうが、\非常に口当たりが良い。飲みやすく、グイグイいけます。自重しましたが(笑)
  • ミズナラ\前2種と比べ、甘い香りがしません。日本でしか使っていない樽(木)で、『御香のような香り』\を連想するそうです。御香って気はしませんでしたが、確かに木の香り(香木?)が前面に出ています。\加水後も、木の香りは弱まらず、お酒として楽しむには人を選ぶような気がしました。\シェリー樽の後であったことも、ギャップでそう感じてしまうのかもしれません。

と、ここまでで、熟年数・樽によって麦ジュースがどれだけ化けていくのか、\ということを体験できました。


4.ウイスキーの試飲&おつまみの試食

さて、ここでハイボールの登場でございます。コレは予想外でした。テイスティングで用いられた山崎12年を使ったハイボールです。適度にアルコールも薄められており、おつまみのせいでグイグイ入っていきます。\炭酸水は危険であることを再認識できました。

おつまみ4種は、スタッフで持ち寄ったり話し合って選び抜いたものだそうです。チーズケーキ、感想白イチジク、月餅、らくがんですが、月餅は持ち帰ってきて食べてません。いきなりチーズケーキから食べたのが悔やまれる構成でした。

チーズケーキ単体でも非常に美味しい。酒のつまみに持ってくるのが惜しいくらいに。コレは紅茶でいただいたほうがいいように思えました(笑)。ハイボールとの相性も十分に良かったです。

次にらくがん。豆と和三盆の混合??、よくわかりませんが口に含むと水分を吸ってバラけ、甘い粉を口中に撒き散らします。水分をハイボールによって与えることにより、甘いお酒を飲んでいるかのような錯覚を覚えます。

いちじくは、上記2つのあとなので、すごく印象が弱かったです。はじめに試してみるんだった…。ドライフルーツでお酒を飲んだこともないので、次回チャレンジということで。ワインとかと相性がいいと聞いた気がします。


しかし、どれもこれもアルコールを飲んでる意識がなくなるのが怖いところ。器が空になったので、テイスティングの山崎を入れて水割りを作ってみましたが、炭酸の発砲があるからこその味わいが、山崎の刺激を緩和してくれていたようです。以前は響を楽しんでいたせいか、山崎の刺激がちょっと気になったしだいです。


*1 : なにがどういう理由で止まっているのか、一晩で頭から消えているのはやばいな(笑)

*2 : ウィスキーやその他の蒸留酒なども詳しくないので、ズブの素人です。

お土産

自分で飲むから土産でもなんでもないという話もあり..。山崎に来ておきながら、白州10年、12年をセレクト。10年までは香りを添加していないので、白州のクセを楽しめるという話でした。前回の工場見学では、山崎と響の飲み比べができて、後者を選択したものです。最近は、山崎と白州の飲み比べになっているらしいです。そうそう工場見学にくることもなかろうと思い、とりあえず白州の見比べをお買い上げ。

あとは蒸留所ブレンド品?、銘柄なきウィスキーをシングルショット器つきでお買い上げ。安酒として呑んで意向と思います。って結構高い気がする。何気に、山崎蒸留所で買ったお酒も余り出しているので、そろそろ自重しないと、です。ちびりちびり飲んでいきますか...


総括

試飲でも、飲み比べはできますが、VTRのブレンダーによる解説があり、その表現方法や、楽しみ方についての公式見解?を聞くことができるのがメリットでしょう。

工場見学だけにくるよりは、ウィスキー製造に対するこだわりと、ブレンド前だとそれぞれ特徴的な味わいを楽しむことができることを体験する良い機会だと思います。

近くに薀蓄たれてくれる人が居るようならば、ブレンダーのVTRに価値を見出せるかどうか、でしょうね。テイスティングしてるとVTRは半分聞こえてないです(ぇ